Luccica(ルチカ)12月号に掲載されました。

仙台のフリーペーパー「Luccica(ルチカ)」12月号に、ストーリーウェディング監修の

ウェディングストーリー「Share Happiness~あなとのココロに花束を」が

掲載されました。

 

ウェディングにまつわる、心温まる幸せストーリー。

今回は「星のエンゲージリング」と題して、新郎から新婦への愛情を綴っています。

 

是非ご覧ください!

 

 

ルチカ12

 

「星のエンゲージリング」

 

付き合って5年、同棲して3年。

もうお互い、一緒にいる事が当たり前で、トキメキだってもう

ずいぶん薄くなってくる。

 

「星を指輪にして贈ろう」

結婚しても変わらず好きだと、奥さんに伝える歌。

わたしに教えてくれたあの歌、まだ覚えてる?

わたしたち、あの歌の二人みたいになれるかな?

訊きたいのを、何度かぐっと我慢した。

 

形式にはこだわらないけど、エンゲージリングがないのは少し寂しい。

 

一粒のダイヤモンドが一番星みたいなリングは、「結婚したい」と

思った時間の証みたいだから。

「エンゲージリング、本当は夢だったんだけどな」

冗談めかして言ったら、彼はちょっと驚いていた。

 

結婚式までの日々はなにかと忙しく、バタバタしている間に

当日を迎えた。

 

幸福の時間は順調に進み、二人で悩みに悩んで選んだ

純白のウェディングドレスに身を包む瞬間がやってきた。

 

お色直しをしたら、彼と内階段の最上階から登場。

スポットライトを受けて拍手をもらったら、階下のゲストに一礼。

で、ゆっくり降りていく。

 

予定通り階段に一歩踏み出して、息が止まった。

真っ暗なはずの会場は、光の海。

上司も同僚も友達も、親戚も両親でさえも、みんなみんな

小さなペンライトを手にしている。

 

言葉が出ないわたしに彼は、「星空の上にいるみたいだね」と

言って、そっとつないでいない右手を上げた。

それが合図。

 

ひと粒の「星」がわたしたちに向かって登ってくる。

そのきらきら輝く一番星を手にとって、彼は微笑んだ。

 

「僕と、結婚してください」

 

マリッジリングの上にかっちりとはまった、

一番星のエンゲージリング。

 

「あの歌のように、この気持ちを忘れないでいよう」

 

覚えててくれたんだ。迷わず「はい」と頷いた。

涙があふれた。

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